キムラ工房が北杜市小淵沢で創業して30余年。
新築だけでなく、リフォームやメンテナンスも数多く手掛けてきたので、どんなところから家が傷むのか、その対策について、数多くのノウハウがあります。わかりやすい事柄をいくつかご紹介しましょう。
❶ 屋根の谷間には要注意
屋根が谷になっているところには雨水や落ち葉が集まります。集まった雨水が土台に集中的にかかると、その部分が早く痛みますし、谷に落ち葉が溜まってしまうと、そこに溜まった水が毛細管現象によって屋根材と屋根材の隙間に入り込み、凍ることで屋根を傷める原因となります。
キムラ工房では、できるだけ屋根はシンプルな形をおすすめしています。デザイン上、どうしても谷間ができる場合は、その部分の板金は幅を広めにして、落ち葉が流れ落ちやすくしています。
❷ 真冬の凍結がタイルを割る
最低気温がマイナス10度以下になることも珍しくない八ヶ岳南麓では、雨ざらしになる玄関ポーチをタイル敷きにしてはいけません。目地から水が入り、それが凍ってタイルが剥がれてしまうのです。
キムラ工房では、玄関ポーチには屋根をつけるか、ウッドデッキにして長持ちするようにしています。
❸ 板金は下からの雨水対策も忘れずに
自然が厳しい八ヶ岳では、雨は上から降るだけではありません。横殴りの雨も多いですし、暴風によって建物にぶつかった雨が下から噴き上がってくることすらあります。
キムラ工房では、雨抑えの板金を一般的な施工よりもう1段階折り曲げ、さらに上から水切りの板金を被せる、手間をかけた施工をしています。そうすることで雨水の侵入をより抑えることができ、家が長持ちするのです。
❹ 壁の中の通気はていねいに
どれだけ工夫をしても、水分の侵入を「完全に」防ぐことは不可能です。そこで大切なのは入ってしまった水分を安全に外に逃すこと。
キムラ工房では、壁の中に水分が溜まらないよう通気を確保し、壁内結露を防ぎます。窓は半外付けにして、たとえ窓枠の隙間から水分がしみ込んだとしても、防水紙の内側には入りません。外壁の下端には金属製の通気口付きプレートをまわし、虫の侵入をブロックしつつ、空気の流れをつくり、余分な水分が抜けるようにします。
❺ 顔馴染みの職人チームだから以心伝心
他の人の仕事の仕方を知らない、寄せ集めの業者だと、例えば大工が丁寧にいれた断熱材を、あとから入った別の業者が電気コードを通すために切り裂いて台無しにしてしまう、なんてことが起きることがあります。
キムラ工房では、関わる職人がいつも同じチームなので、きちんと連携が取れており、他の職方の仕事を尊重しながら、効率よく工事が進みます。
❻ キツツキがつかまれる場所を無くそう
別荘や太陽光パネルのための伐採が進んで木が少なくなったためか、最近、キツツキによる被害が目に見えて増えています。屋根の端につかまったキツツキにより、軒裏に大きな穴が空いた家をよくみます。その穴からむくどりが建物内に入り、巣をつくることがあります。そうするとダニが発生して、その家の住人に健康被害が及びます。もちろん、家の寿命も縮まり、さらに断熱性能も落ちるので良いことはありません。スズメバチの巣ができることすらあります。
キムラ工房では、そのような被害を防ぐためには、屋根の端の破風板を板金で包むことが効果的。そうするとキツツキがつかまれなくなり、大事な屋根を守ることができるのです。
❼ 必ずしも自然素材がよいとはかぎらない
自然素材は優れた建材ですが、状況によっては採用を控えた方がよい場合もあります。例えば高い吸湿性能を誇る桐は、押し入れといった湿気がこもりやすい場所によく使われますが、森の中のような湿度が高い場所に建てられた家の場合、水分を取り込んだまま吐き出せなくなってカビが発生することがあります。
キムラ工房では、その土地の気候風土を読み取って、最適な素材選びができるよう努めています。